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栃木縣道五二號線、國道二九三號線の舊道が昭和十年竣功の新那珂橋で那珂川を渡河してから馬頭方面に向ひ三百米弱、小口川に架る橋であります。
尤も、其新那珂橋も先の震災にて被害を被り、撤去の憂き目に遭つて仕舞ひましたので、今後は縣道指定でも號數は如何成るのでせうか。
して此方、まあ後年に成り擴幅されてはゐるものの、何か餘り有効活用されてゐ無い樣な雰圍氣なのでありますが、細かい事は措いとゐて、不取敢此方右岸側から見て行きます。 |
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小口川橋。
何と云ひますか、獨特な意匠の親柱でありますね。
正直、拙の美的感覺からしますれば、御世辭にも格好良い樣には餘り見受けられ無いのでありますが、之も一種の先進的と云ふか實驗的姿だつたのでせうか。
變な譬へかも知れませんが、某私鐡の初代や二代目ビスタカー、國有鐡道のボンネツト型キハ80系氣動車に通ずる樣な意匠に見えて仕舞つたのであります。 |
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其親柱の横に工事銘板が取附られて居りました。
昭和四五年三月竣功でありますね。
御丁寧に日附迄記されてゐるのが素敵であります。 |
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桁は鐡桁であります。
唯、此高欄が元々の物なのか、後年に成つてからの物なのかの判別が難しいであります。
多分に元々のなのかも知れませんが、さうでありますと、此形の物としましては初期の頃の橋、と云ふ事に成るのでは無いでせうか。 |
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併しまあ、擴幅して措き乍此扱ひは何なのでせう。 |
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因に、擴幅部分は平成五年十二月竣功であります。
では左岸側へ移ります。 |
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小口川(コグチガハ)。
さう、此銘板部分の突出や曲面具合等からして、ボンネツト型特急の連結器部分と云ふか、特急其物を想起させる樣な感じに拙は見えたのであります。
151系で畫像檢索して見て呉れると納得戴けるのでは無いかと思ふのでありますが、如何でせうか。
とまあ、獨特な見所の有る橋でありました。
以上、御附合有難う御坐いました。 |