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奧州街道白澤宿の藥研坂(ヤゲンザカ)を下りますと、右手に・・・何の木だらう・・・昔から生えて居る大木の袂に見えて來ました。
其袂に江戸時代から在る公衆便所が今も殘つてゐると云ふ事で、見に來ました。
嗚呼、因に右手に廣がつてゐるのは舊線形部分であります。 |
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此方が其物件であります。
流石に外壁はアレでありますが、若しかしますと基本骨格は江戸期の物なのでせうか。
否、流石に建替へられてはゐるとは思ふのでありますがね。 |
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此の繪は有名でありますね。
丁度此時、此處の土地の所有者の方と御話出來まして、多分半世紀程前迄は實際に使はれてゐたとの事であります。
維持管理も當然必要でありますから其はもう大變で、老朽化して使用し無く成つたのと、白澤宿を保存する氣運が高まつたのを期に、保存委員會へ寄附されたさうであります。 |
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して、内部撮影の許可を戴きまして、いざ撮影致しました。
既に便器は無く、物置として桶と天秤棒が置いて在りました。
但し仕切りが在る事から、此方が小用で、もう一方が大用と云ふ事でせう。
併し何と云ひますか、色々と雰圍氣滿點であります。 |
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一寸場所的に狹いのでありますが、大の方ちらりと失禮致します。
もう扉も牀も朽ち果ててゐます。
然し板一枚の下は全て肥溜めでありますから、若しも板が弱つてゐて踏み拔いて仕舞つたら大變でありますね。
或る意味「板子一枚下は地獄」と云ふ事でせうか。 |
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年季の入つた桶が何個かあります。
蓋も在りますね。
天秤棒も在りますね。
と云ふ事は、間違ひ無く肥桶なのでせう。 |
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とは思ふのでありますが、雰圍氣作りの爲に置いて在るのだと思ひます。
併しもう箍が外れて仕舞つてゐるのは一寸勿體無いであります。
腐食し易かつたのだと思ひますが。 |
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で以て、使用され無く成つて早半世紀と云ふ處なのでありますが、何と無く氣に成つて、下を覗いて見ました。
當然の如くもう何も無いでありますよ。
まあ、面白い物を見させて戴きました。
以上、御附合ひ有難う御坐いました |